危険なキス
「こ、これはそのっ……」
「でもさっきの態度で、十分証明されたよ」
「え?」
そう言って、今度は優しく微笑む先生。
初めて、そんな優しく笑う先生を見た気がした。
「そうだよな……。
誰もが同じ結果を招くなんて……そう思ってること自体間違ってたんだよな……」
遠い目をして、先生は独り言のようにつぶやいた。
あたしはそんな先生を見上げていた。
「お前なら、相手がどんな奴でも倒しそうな気がするわ」
「なっ……」
そしてニカッと笑う。
そのつもりだけど、あまりにも当たり前に言われると、ちょっとだけカチンとくる。
「先生だって……
そんなことばっか言ってないで、ちゃんと守ってよ」
思わず出てしまう可愛くない言葉。
だけどその言葉にすら微笑みかけると……
「ああ。全力で守ってやるよ」
そう言って、あたしの唇にキスを落とした。