危険なキス
 
「あーあ、それ、火傷したんじゃねーの?」
「え、そうですか?」
「唇真っ赤」
「嘘っ……」


確かに熱かったけど、そこまでなっているように思わなかったので、言われて驚いた。


「見せてみ」
「あ、いや……」
「いいから」


グイと顎を持ち上げられて、顔を近づけられる。


何度もこの距離で見ることはあったけど、いくらたっても慣れない。

あたしはつい、視線を泳がせた。


「こりゃ、消毒が必要だな」
「そ、そんな!?」
「ああ」


そして次の瞬間、


「!!」


その唇を、食べられるように口づけられていた。
 
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