危険なキス
 
「結局、T大受けるんだろ?」
「うん。……先生の、後輩になりたいし……」
「へえー?」


恥ずかしくて、目を逸らしながら答えるあたしに、先生は何か言いたげな返事をすると……


「お前も、素直になってきたじゃん」

「…っ」


グイと顎を掴んで、自分のほうへ向けた。


「べ、べつに……」
「お前、俺にベタ惚れだもんな」
「そ、そんなことっ……」
「そんなこと?」
「……ある、……けど……」


悔しい…。

いっぱい言い返したいのに、先生のその瞳に見つめられると何も言い返せない。
だけどなんとか一つの言葉を返す。


「ベタ惚れなのは……先生のほうでしょ」

「……」


少しの反抗心で、先生の顔を見つめ返した。

予想外の言い返しに、先生は一瞬目を丸くさせると…


「そうだな」


と笑って、キスをした。
 
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