危険なキス
 
「ん?」


出入口のところで、振り返る楠木。

あたしは一度息をのむと……


「こんなあたしを、好きになってくれてありがとう」


その言葉に、楠木は一瞬目を丸くさせる。


「……へっ、何言ってんだ」


そして再び笑うと、


「柊は十分すぎるほど、魅力的だよ」


あたしにはもったいないくらいの言葉をくれた。


「それじゃあな」


そして今度こそ教室を出て行った。

 
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