危険なキス
 
「ちょっ……せんせっ……」


連れてこられた、物理準備室。

唯一、先生の素が出る場所。


「だめだってばっ……」
「妬かせたお前が悪い」
「えっ、あれ本気だったの?」
「うるせぇ」
「…っ」


強引な口づけ。

だけど、それはヤキモチからと思うと、愛しくて仕方がない。


「先生って、意外とヤキモチ妬きなんですね」
「……」


唇を離して、思わずくすくすと笑ってしまう。

先生はめずらしく、バツが悪そうな顔をしている。
だけどすぐに強気な目であたしを見据えると……


「あんまそういうこと言ってると……」
「きゃっ……」


一瞬にして、両手首を先生につかまれた。


「このまま一生、俺の家に閉じ込めとくぞ」

「…っ」


立場は一瞬にして、逆転した。
 
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