危険なキス
「俺、思っていた以上に独占欲が強いらしいな」
頬に手を重ね、至近距離で見つめる瞳。
何もかもを許してしまいそうになる。
「……そんなこと……マーキングをされたときから、なんとなく分かってます」
突然つけられたキスマーク。
好きでもないのに、ほかの人に触れられることを許さなかった。
「それじゃあ、またつけとかねぇとな」
「え?……んっ……」
先生は、首筋に唇を近づけると、ちくりと痛むほど吸い付いた。
「消えたらまたつける。
もう、誰にも触れさせねぇようにな」
誰にも本気で好きにならなかった先生。
だけど本当は
誰よりも独占欲が強く、嫉妬深い男だった、のかもしれない。
「いいですよ」
そしてあたしは、そんな先生に嫉妬されるのが好きだ。
~fin.~