危険なキス
3章 淡い恋心
「それじゃあ、学級委員。放課後までに課題を集めておいてくれ」
「はい」
英語の授業の最後、
チャイムが鳴ると同時に先生が言い放つ。
それに答えたのはあたし。
あたしはこのクラスの学級委員でもあった。
休み時間になるとともに、黒板の隅に
『英語の課題ノートは、横の棚の上に提出しておいてください』
とつづっておく。
それを見たクラスメートが、次々と棚の上に置いていった。
そして放課後になり、あたしは課題を持って職員室に行こうと思った。
だけど……
「……帰ったな…」
どうやら男子の学級委員のほうは、課題のことなどすっかり忘れていたのかすでに帰ったあとだった。
「ったく……」
小さくため息をつくと、あたしは積まれたノートを手に取る。
意外と重い……。
クラス分のノートは、両手で抱えても結構な重さがあった。