危険なキス
「あ、そういえば。お前この後暇?」
「え?まあ…とくに予定はないけど」
「マジ?じゃあ、ちょっと付き合ってくんねぇ?」
それは急な誘い。
あまりにも突然過ぎて、返事に困った。
「来週、妹の誕生日でさー。
何あげたらいいのか、すげー迷ってて……。
一緒に見てほしいんだけど」
「……うん。いいよ」
クールに返事をした。
だけど……
楠木と二人きりで放課後デート!?
と、心の中ではパニック状態だった。
「よし!そうと決まればすぐ行くぞ!」
「ちょっ、待ってよ!」
楠木は駆け出し、あたしはとっさに追いかけた。
どうしよう…
嬉しすぎて心臓が張り裂けそうだ……。