危険なキス
「妹さん、いくつなの?」
「中1」
「中学生かぁ……。年頃になってきたから悩むね」
あたしたちは、適当な雑貨屋さんを見て回っていた。
一緒に見てあげる、と言ったのはいいものの、あたし自身、あまり女の子らしいものから無縁の存在だ。
可愛らしい雑貨とか見ても、イマイチ何が欲しいのかピンとこない。
「これは?」
「や、趣味悪いでしょ」
だけど、楠木が選ぶより、断然マシだと思う。
さっきから彼のチョイスするものは、ガラクタに近いものだったり、男子目線で欲しいようなものだったりする。
「中学と言ったら、女の子を意識するような年になってくるし………あ……」
あたしは、一つの物に目が留まった。
そしてそれを手に取る。
「これなんかは?化粧ポーチ」
それは、小さなお花が飾られたピンク色のポーチだった。