危険なキス
「……おい、聞いてんのか?」
「え?あ、すみません……」
家に帰ると、ほぼ同時に湯浅先生が来た。
おかげであたしは、着替える間もなく、制服のまま授業を受けている。
いつものように授業を進め、先生が解き方を教えてくれていたけど、あたしは心ここにあらず状態だった。
「お前、舐めてんの?」
「そういうわけじゃ……」
「失恋でもした?」
笑いながら聞いてくる先生に、カァーっと顔が熱くなった。
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