危険なキス
5章 失恋した日
土日は勉強でほとんどが終わり、また1週間を迎える月曜日になった。
「ふあ~」
あたしは大きなあくびをしながら登校する。
歩いていると、後ろからコツっと誰かに頭を小突かれた。
「いたっ…」
「おす」
「楠木……。おはよ」
振り返った先にいたのは、楠木だった。
「お前、女のくせにでっかい口開けてあくびすんなよな」
「いいじゃん、別に。眠いのに、男も女もない」
あたしは呆れ気味に言う楠木を適当に流し、歩みを緩めることなく歩いた。