危険なキス
「そっか……。よかったね」
あたしは無理やり笑顔を作って、麻衣子に向けた。
今のあたし、ちゃんと笑えてるかな。
大丈夫……
大丈夫……。
自分が望んでしたことなんだから……。
「拓也からも!何か言ったら?」
「お、おう」
拓也…
そっか、麻衣子はもう、楠木のこと、名前で呼ぶような仲になったんだ……。
「柊……」
「ん?」
「……ありがとな」
「……ん」
あたしは、楠木にも笑顔と返事で返した。