危険なキス
 
え……?

と、一瞬頭の中が真っ白になった。


だけどすぐに分かった。
先生の言う「忘れさせる」という方法が、いったい何を意味するのかを……。

あたしは至近距離で見つめる先生を睨んだ。


「……あんたなんかで、忘れられるわけないじゃん」

「上等」


売り言葉に買い言葉。

まさにその言葉がピッタリだった。


先生は、さらに顔を近づけにやりと笑うと、


「なんてな。
 ガキに興味ねーよ」


鼻と鼻がぶつかり合う距離までくると、先生はあたしの顎を離した。


キスされるかと思って覚悟を決めた手前、途端に自由になる体。
その瞬間、あたしのネジが外れたようだった。


「ガキガキって……
 本当は自信ないだけなんじゃないんですか?」

「あ?…っておいっ」


あたしは着ているセーターを脱いだ。
 
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