危険なキス
 
「紫乃ー?ご飯出来たわよー」


遠くから、お母さんの呼ぶ声が聞こえた。

そっと目を開けると、暗い部屋。
カーテンは開いたままで、窓からは光放った三日月が見えた。


「紫乃?あら、あんた寝てたの?」


いつまでたっても降りてこないあたしに、お母さんは不思議に思って部屋の扉を開けた。
あたしは顔だけお母さんに向けると


「うん。今行く……」


とだけ返事をした。
 
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