闇に咲き誇る桜





夜「大変申し訳ありませんが、ここをやめさせていただきます。」


姫「っ!?  なにっ!?

賢いそなたともあろうものが、その言葉のもたらす意味、分からぬわけではあるまいな?」


夜「はい。  死を意味することくらいは存じ上げております。



しかしながら・・・



俺を甘く見ないでください。




あなた方が、俺のもう一つの対価を払うつもりがないことぐらいわかっています。



交渉したときに申したはずです。


金は、生活が成り立つくらいあればいい。

何よりもほしいのは情報だ、と。




先に約束をたがえたのはそちらだ。



今まで適当に忍び頭をしてきたわけではありません。


情報を探してないことはわかっていました。

俺を甘く見すぎではありませんか?」




姫「なっ!?  妾を愚弄する気かっ!?」




夜「そんなつもりはありません。

ただ事実を申し上げたまで。

ですがもう、従うつもりもありません。



それでは失礼。

今までお世話になりました。」





姫に謁見するために身に着けた丁寧な礼をし、部屋を出た。






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