闇に咲き誇る桜
少し行くと、何かの倉の裏に少し開けた場所があった。
そこには桜の木が一本だけ咲いていた。
日は高く、夜まで少し時間があったため、口元を覆いながら呼吸をし、ひかれるようにその桜の木の根元に座った。
上を見上げると見える満開の桜。
風がひときわ強くなったとき見た、舞い散る花びらを見てなぜか自分みたいだと思った。
夜「誰にも気づかれずに咲き誇って・・・。
気づかれぬまま死んでいく・・・・。
お前は・・・私みたいですね・・・。」
しばらくそこにとどまっているとようやく落ち着いてきたので部屋に戻り、刀を抱えて壁へもたれかかり座ると、意識を失うようにして眠りに落ちていった。
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