Produce!〜高校デビューしませんか?〜
柚花の通う高校は、女子高なだけあって女ばかり。
可愛い子が多くて私はテンションがあがった。
そんな私に柊くんは「女でもいけるくち?」なんて意地悪をいう。
ーーいや、彼の真面目な性格から言ったら、本気かもしれないけど…。
「柚花ちゃん、いる?」
下校時間なだけあって、門から出てくる人の数がすごくて、柚花を見つけられるかとても不安だった。
だから柊くんに聞いたのに、彼は真面目に言うことを復唱している。
昨日会っただけで、見つけられるかどうかも不安なのに、この男はっ!
そんなことを思っても、彼はきっと必死なんだろう。
だから、私も必死になって柚花を探した。
門から出てくる女の子たちはチラチラと私たちを見ていて。
少しだけ恥ずかしさがあった。
…だって、彼はまだ柚花に言う言葉を復唱しているから。
熱視線と共に風に乗って声が聞こえる。
『あの男の子、イケメンだけど…なんか変じゃない?』
ーー…あぁ、大樹よ。なんでも良いからブツブツ声に出すのはやめてくれ…