Produce!〜高校デビューしませんか?〜
ポンと、柊くんが私の肩を叩く。
そして「良いじゃん。協力してあげようよ。ね?」と、優しい言葉をかけたけれど、私は気付いていた。
ーー…大樹、目がキラキラしすぎ。完全に面白がっているでしょう。
「ふぅ」と一度、息を吐いて先輩を見上げる。
推定190センチの大男。
見つめすぎると首がジーンと痛んでくる。
「わかりました。理由は言わなくて大丈夫です。先輩、イケメンに生まれ変わりましょうね!」
固い握手をしたあと、先輩は消えるような声で「ありがとう。明日までにお願い」と言った。
聞き間違え?
……え?明日!?
「あ、明日までですか!?」
「よろしくね、朝比奈さん」
先輩は目を細めて笑った。
とても優しく笑う人だと思った。
けれど、やっぱりその目に生気は感じられない。