Produce!〜高校デビューしませんか?〜



先輩は結婚式会場から目を離さなかった。
言葉の続きを待つものの、なかなか出てこない。
そんな沈黙を破ったのは柊くんだった。


「先輩。それと結婚式って何かあるんですか?」


聞きづらいことをスラスラと言う柊くんは、大物だと思う。
でも、今回だけは感謝する。
私だって、この理由を知りたかったからーー



「あ、待って。出てくる…」


式場では招待客がゾロゾロと外に出てきている。
真ん中を開けて両方に分かれる招待客の客層は結構年配だった。


もしかして…



リーンゴーンーー…

大きな鐘の音が響くと、ギィーと重たい扉が開く。
その中から出てきたのは、私の両親と同じくらいの歳の男の人と女の人。


その女性は、とても幸せそうに笑っていた。
そして…先輩に、そっくりだった。






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