Produce!〜高校デビューしませんか?〜



良かった。と、満面の笑みを見せた王子は、遥の横に座り込んでキスでもするんじゃないかってくらい顔を近付ける。


小説に目を落としていた遥もギョっと驚いた表情を見せた。



「俺、種村徹平。君の名前は?」

「…山本 遥」

「はるか!はーるかっ」


語尾にハートマークが5個くらい付く勢いで王子は遥に夢中だった。
それをポカンとした表情でみる私たち3人。結局のけ者。



「種村くん、顔が近い」

遥は冷たく王子に言ったけれど、王子はそんなことお構いなしにニコニコと遥の顔を見つめている。



「遥は美人だね。俺のタイプ」

「…そう。ありがとう」

「俺と付き合おうか」

「無理」


言葉の冷たさが一層冷たくなったかと思うと、遥かは顔も冷ややかになって冷めて行く。
この顔は、かなり機嫌が悪い。


それなのに、王子は全く気にしていない。
鈍感というか、天真爛漫というか…


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