君が好きだから嘘をつく
特別な場所
あ~疲れた・・ここ最近仕事に追われる日が続いていた。
まあ忙しかったおかげでグズグズと胸の中に溜まっている気持ちを、一瞬でも隅に置いておけることができた。
あの日、健吾とキスした時から心の中は乱れっぱなしなんだ。
健吾はキスした相手が私だと気付いていないだろうし、酔っ払って寝ぼけていたからキスをしたってことすら覚えていないのかもしれない。
だからあれからずっと心に言い聞かせてきた、あれは何でもないことだって。
あの後健吾に会っても、いつもの私と同じように接した。
精一杯演技したんだ。
会社への帰り道、コートの襟元を掴んで首元に流れる冷たい風から身を守る。
「もうすぐ12月かぁ・・寒いなぁ・・」
もうとっくに暗くなった空を見上げると、少しだけ星が見えた。
「もう5年・・5年半かぁ」
呟いてため息が出る。
そのまま星を見続けていると、メールの着信音に気が着いてバッグからスマートフォンを取り出す。
健吾からだ。
まあ忙しかったおかげでグズグズと胸の中に溜まっている気持ちを、一瞬でも隅に置いておけることができた。
あの日、健吾とキスした時から心の中は乱れっぱなしなんだ。
健吾はキスした相手が私だと気付いていないだろうし、酔っ払って寝ぼけていたからキスをしたってことすら覚えていないのかもしれない。
だからあれからずっと心に言い聞かせてきた、あれは何でもないことだって。
あの後健吾に会っても、いつもの私と同じように接した。
精一杯演技したんだ。
会社への帰り道、コートの襟元を掴んで首元に流れる冷たい風から身を守る。
「もうすぐ12月かぁ・・寒いなぁ・・」
もうとっくに暗くなった空を見上げると、少しだけ星が見えた。
「もう5年・・5年半かぁ」
呟いてため息が出る。
そのまま星を見続けていると、メールの着信音に気が着いてバッグからスマートフォンを取り出す。
健吾からだ。