君が好きだから嘘をつく
20時近くということもあり私が指定した喫茶店にはほとんどお客はいなかった。
古い喫茶店でカフェという感じではない。誰かとお茶する時に利用する店ではないが、落ち着いた雰囲気が一人でボ~っとしたい時にいい空間だったので時々通っていた。
込み入った話をするのにはお客のいないこの時間に利用するのに丁度いいと思った。
一番奥の席まで歩いて、健吾が来たことが分かるように自分が入り口の方を向いて先に座る。
目の前に伊東さん・その横に彼が座り、向き合った距離感に居心地の悪さを感じる。
私達が座ったとこへ細身で白髪のマスターがお冷を持ってきた。「何がいいですか?」と伊東さんの彼に聞くと「コーヒーを」と答え、伊東さんを見ると「私も」と答えたので「後からもう一人来るので、コーヒー4つお願いします」とマスターに伝えると、「かしこまりました」といつもの柔らかい笑顔を見せカウンターに戻って行った。
2人を目の前にして私から話す事は何もない。
初めて見る伊東さんの彼を見て健吾との違いを感じる。
健吾とは違って柔らかい雰囲気はなく、男っぽさというか強さみたいなものを感じる空気を持っている。
こんな形で会っているからだろうか?
しばらく沈黙の時を送ると、コーヒーの香ばしいいい香りが私達の席まで流れてきた。ボーっとしながらその香りを感じていると、マスターが私達の席にコーヒーを届けてくれた。
まだ来ていない健吾のコーヒーを自分の隣の席の前に置き、そのカップを見つめながら自分のコーヒーを飲んだ。いつも美味しいと思うのに、今日はあまり味を感じられない。
視線の先のカップの湯気がまだ出ているうちに入り口のドアベルが『シャララ~ン』と鳴り、すぐに目をやると健吾の姿が見えた。
こちらが声をかけなくても店内にほとんどお客のいない状態から、健吾はすぐに私達の方に視線を向けた。目の前の2人を見ると、伊東さんは気まずそうな顔をし、彼はジッと健吾のことを振り向きながら見ている。
こんな日が来るなんてね・・・
古い喫茶店でカフェという感じではない。誰かとお茶する時に利用する店ではないが、落ち着いた雰囲気が一人でボ~っとしたい時にいい空間だったので時々通っていた。
込み入った話をするのにはお客のいないこの時間に利用するのに丁度いいと思った。
一番奥の席まで歩いて、健吾が来たことが分かるように自分が入り口の方を向いて先に座る。
目の前に伊東さん・その横に彼が座り、向き合った距離感に居心地の悪さを感じる。
私達が座ったとこへ細身で白髪のマスターがお冷を持ってきた。「何がいいですか?」と伊東さんの彼に聞くと「コーヒーを」と答え、伊東さんを見ると「私も」と答えたので「後からもう一人来るので、コーヒー4つお願いします」とマスターに伝えると、「かしこまりました」といつもの柔らかい笑顔を見せカウンターに戻って行った。
2人を目の前にして私から話す事は何もない。
初めて見る伊東さんの彼を見て健吾との違いを感じる。
健吾とは違って柔らかい雰囲気はなく、男っぽさというか強さみたいなものを感じる空気を持っている。
こんな形で会っているからだろうか?
しばらく沈黙の時を送ると、コーヒーの香ばしいいい香りが私達の席まで流れてきた。ボーっとしながらその香りを感じていると、マスターが私達の席にコーヒーを届けてくれた。
まだ来ていない健吾のコーヒーを自分の隣の席の前に置き、そのカップを見つめながら自分のコーヒーを飲んだ。いつも美味しいと思うのに、今日はあまり味を感じられない。
視線の先のカップの湯気がまだ出ているうちに入り口のドアベルが『シャララ~ン』と鳴り、すぐに目をやると健吾の姿が見えた。
こちらが声をかけなくても店内にほとんどお客のいない状態から、健吾はすぐに私達の方に視線を向けた。目の前の2人を見ると、伊東さんは気まずそうな顔をし、彼はジッと健吾のことを振り向きながら見ている。
こんな日が来るなんてね・・・