君が好きだから嘘をつく
真実
隼人の協力の元、咲季は健吾を連れだって会社を後にした。
隼人には耳打ちして目的地へと案内してもらうように先を歩かせた。その目的地とは楓と健吾の行きつけのお店・・・美好だ。
隼人と並んで歩きながら方向で分かったのか健吾はふと足を止めた。
「何処行くつもり?」
冷めた目つきで隼人に尋ねた。そんな健吾の気持ちを察しながらも素知らぬふりして言葉を返す。
「美好だよ」
「他行こう」
隼人の調子に負けることなく間髪入れず言い返した。そんな様子を真後ろで咲季は見ていて、心の中で隼人に『負けるな!』と応援する。健吾が美好に行くのを嫌がる理由は、楓への感情が少なからずあるからだろうと期待も持った。だからこれだけは譲れないと思い、
「私が澤田くんに頼んだの。今まで話に聞いていた美好に行ってみたいって」
そう言って2人の間に割って入ると、隼人も話を合わせてくれた。
「そうだよ、おばちゃんにもまた行くって約束したのにそれから行ってないしね」
「じゃあ2人で行けばいいだろ」
「もうすぐそこなんだから。美好じゃだめな理由なんてある?」
「・・・」
嫌がる健吾を隼人は涼しい笑顔で黙らせる。
でもそのおかげで健吾も渋々だけど歩き出した。咲季は前を歩く2人を見ながら、心の中で隼人に感謝した。ちゃんと話をするなら、2人の思い出の詰まった美好で向かい合いたかったから。
それからすぐ店に着いて店内に入った。
隼人には耳打ちして目的地へと案内してもらうように先を歩かせた。その目的地とは楓と健吾の行きつけのお店・・・美好だ。
隼人と並んで歩きながら方向で分かったのか健吾はふと足を止めた。
「何処行くつもり?」
冷めた目つきで隼人に尋ねた。そんな健吾の気持ちを察しながらも素知らぬふりして言葉を返す。
「美好だよ」
「他行こう」
隼人の調子に負けることなく間髪入れず言い返した。そんな様子を真後ろで咲季は見ていて、心の中で隼人に『負けるな!』と応援する。健吾が美好に行くのを嫌がる理由は、楓への感情が少なからずあるからだろうと期待も持った。だからこれだけは譲れないと思い、
「私が澤田くんに頼んだの。今まで話に聞いていた美好に行ってみたいって」
そう言って2人の間に割って入ると、隼人も話を合わせてくれた。
「そうだよ、おばちゃんにもまた行くって約束したのにそれから行ってないしね」
「じゃあ2人で行けばいいだろ」
「もうすぐそこなんだから。美好じゃだめな理由なんてある?」
「・・・」
嫌がる健吾を隼人は涼しい笑顔で黙らせる。
でもそのおかげで健吾も渋々だけど歩き出した。咲季は前を歩く2人を見ながら、心の中で隼人に感謝した。ちゃんと話をするなら、2人の思い出の詰まった美好で向かい合いたかったから。
それからすぐ店に着いて店内に入った。