君が好きだから嘘をつく
英輔からのメールの内容を咲季先輩に伝えると、瞳を開いて驚いて見せた。
「まじで?これから会おうって?」
「う~ん、でもまた違う日にしてもらいます」
咲季先輩とご飯食べに行くところだったので、メールで今日は無理だと送ろうとしたら、手を掴まれて止められた。
「待って!」
咲季先輩は私の手を掴んだまま何か考えている顔を一瞬したと思ったら、今度は何か企んだような顔をした。
「行って来なよ、楓。せっかく連絡くれたんだし、受け取って来なよ。お互い仕事していたら終わる時間が合う日ってなかなかないんだからさ」
その言葉にそうかもしれないなって思った。
確かに営業の仕事をしていたら、帰れる時間は確実に言えない。
ドタキャンするのも失礼だし、今ならすぐ出られる。
「じゃあ・・・すいません。せっかくご飯行こうって言っていたとこなのに」
「いいよいいよ、また後でゆっくり話そう。とりあえず彼に電話してあげなよ」
そう言って私のバッグを渡してくれた。
「はい、じゃあ・・お先に失礼します」
「お疲れ~行ってらっしゃい!」
笑顔で見送ってくれる咲季先輩に会釈して営業部のフロアを出ようとした時、ちょうど健吾が入って来た。
「あれ?楓もう帰るの?仕事残っているって言ってなかったっけ?」
「うん・・ちょっと用事入って、帰ることにしたの」
つい英輔の名前を出さずに用事と言ってしまった。
「そっか、じゃあお疲れ」
「お疲れ様」
挨拶だけして出てきてしまった。
さっき伊東さんと一緒にいたことが何となく心に引っかかっていたからかもしれない。
そのままエレベーターで降りて、ロビーを出てから英輔に電話をかけてみた。
「まじで?これから会おうって?」
「う~ん、でもまた違う日にしてもらいます」
咲季先輩とご飯食べに行くところだったので、メールで今日は無理だと送ろうとしたら、手を掴まれて止められた。
「待って!」
咲季先輩は私の手を掴んだまま何か考えている顔を一瞬したと思ったら、今度は何か企んだような顔をした。
「行って来なよ、楓。せっかく連絡くれたんだし、受け取って来なよ。お互い仕事していたら終わる時間が合う日ってなかなかないんだからさ」
その言葉にそうかもしれないなって思った。
確かに営業の仕事をしていたら、帰れる時間は確実に言えない。
ドタキャンするのも失礼だし、今ならすぐ出られる。
「じゃあ・・・すいません。せっかくご飯行こうって言っていたとこなのに」
「いいよいいよ、また後でゆっくり話そう。とりあえず彼に電話してあげなよ」
そう言って私のバッグを渡してくれた。
「はい、じゃあ・・お先に失礼します」
「お疲れ~行ってらっしゃい!」
笑顔で見送ってくれる咲季先輩に会釈して営業部のフロアを出ようとした時、ちょうど健吾が入って来た。
「あれ?楓もう帰るの?仕事残っているって言ってなかったっけ?」
「うん・・ちょっと用事入って、帰ることにしたの」
つい英輔の名前を出さずに用事と言ってしまった。
「そっか、じゃあお疲れ」
「お疲れ様」
挨拶だけして出てきてしまった。
さっき伊東さんと一緒にいたことが何となく心に引っかかっていたからかもしれない。
そのままエレベーターで降りて、ロビーを出てから英輔に電話をかけてみた。