私的、魔法
「マシェリうまくいってたね!」

みんなが並んでいる列に戻るとファニがすぐさま明るい口調で声をかけてきた。それもそうだファニは私のちょっと前に試験が終わり大成功を成し遂げた。

「このままいけば2人とも進級できるね」

「やーっと8回生だね。ついにここまで来たかーって感じ!あと1年後夢にまでみた部隊配属・・・!胸が躍るぅぅ」

ファニは見た目こそクールに思われがちだが、とても可愛らしい子だ。

この学院は男8割女2割と明らかに男性が多い。

女はどちらかというと村でお店をしたりと、部隊入りを志願する人はとてもまれだし、昔聞いた話だとファニは下界と霊界を行き来する遠征部隊が第一志望と言っていた。

下界はそれこそ人間・動物が住んでいて害は少ないほうだが、霊界は凶暴な生き物もたまにいるため戦闘になることがある。だから遠征部隊を第一志望にする女性はほんの一握りと言っていいぐらいだそうだ。

そんな私も遠征部隊が第一志望だ。

なぜかというと遠征部隊以外は、下界と霊界にいけないからだ。私は自分の目で違う世界を見てみたい。

「マシェ!!!!!!!」

「は、はひ!?」

「まーた妄想の世界に入ってたな。普段は冷静なのにたまに抜けてるんだよねー」

「な、なによ。ちゃんと聞いてたわ」

「あ、試験終わったよ!お昼だし食堂行こう!」

私の手を取り駆け出すファニ。

ファニの石鹸のいいにおいと、草と土と風の匂いがするこの学校が大好き。
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