太陽と月
微かにカチカチと規則正しい時計の音が聞こえる
まるで夢の中に入りこんだ様に静かな空間
それでも不意に聞こえる雷の音が、ここが現実だと教えてくれた
そして
「でも、その人と俺が運命の相手とは限らない」
「――どういう...」
「その人には、他に運命の相手がいた。ただ、それだけの事」
淡々と告げられた言葉が胸を焼く
切なさが足元から駆け上がってきて、鼻の奥がツンとした
これは大西主任の悲しみ?
それとも...私?
大西主任の言葉を頭の中に並べる
――それって...
運命の人と出会ったけど、結ばれなかったって事だよね
「しゅに―――」
「悪い。喋りすぎたな。忘れて」
「でもっ」
「ちょっと飲みすぎたみたいだ。寝るよ」
そう言って、私の言葉を全部遮って
主任は私に背を向けて
何も言わなくなった