太陽と月
「はっ、はい! 気が付いたら朝でした」
「あははっ、だろうね。瀬川のイビキ、すごかったから」
「えっ!?」
ニタリと笑ってそう言う主任の言葉に、飲んでいた紅茶を一瞬吐き出しそうになる
私イビキかいてたの!?
うそっ!? 私ってイビキかく人だったの!?
でも、今ままで誰にも言われたことっ――
「うそ」
恥ずかしいやら申し訳ないやらで、背中が冷え切った時
隣で紅茶を飲んでいた主任が、悪びれずにそう言う
「え?」
「嘘。それに、俺も気が付いたら寝てた」
「――」
ポカンと口を開けた私を見て、子供みたいにケタケタと笑う主任
その姿を見て、安堵と共になんだか心がポカポカした
「主任っ!!」
「悪い悪い。そんなに顔面蒼白になるとは思わなかったから」
「――っ!!」
飲みかけの紅茶を零さない様に、お腹に手を当てて笑いを堪える主任
その笑顔は、いつもの太陽みたいな笑顔だった