太陽と月


私から視線を外して、黙り込む莉奈さんを見つめる

そして、ゆっくりと口を開いた




「――でも…それでも、いい」

「え?」

「それでもいいの」




驚いた顔で私を見つめる莉奈さんに、ニッコリと微笑む



これは嘘でも強がりでも、意地でもない

そうしたいと思ったから



ううん。それ以外

この恋の花を守る術がないから




「例え、私の事を好きになってくれなくてもいい」

「――」

「側にいられるだけで、私は幸せだから」

「花音..でも」

「それに!!もしかしたら‥いつか――いつか私の事、好きになってくれるかもしれないじゃない!」



グイッと口角を上げて、そう微笑む

そうしないと、涙が出そうだったから




でも、そう思いたい

未来は誰にも分からない

少しでも可能性があるなら、信じたい

賭けてみたい
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