太陽と月
「――こ…ども?」
目の前にいたのは、3歳くらいの男の子
私と同じ様に地面にお尻をついて倒れている
「大丈夫っ!? 怪我してないっ!?」
思いもしなかった光景に慌てて、その子に駆け寄る
それでも、男の子は平気な顔して立ち上がって
「だいじょーぶ」
少し舌ったらずな声でそう言って、コクンと小さく頷いた
「ごめんね? 痛いところない?」
「にゃい」
少し汗ばんだ髪の男の子が、もう一度コクンと頷く
その様子に安堵の溜息を吐いて、ポケットからハンカチを取り出して、男の子の額の汗を拭きとった
真っ黒な瞳に、切れ長の目
幼い子供なのに、既に端正なその顔はどこかのモデルみたい
どこの子だろう
迷い込んだのかな?
「どこから来たの?」
「おしょとから」
「ママとパパは?」
「いりゅよ。ゆなも」
「ゆな?」
「うん」
ダメだ。
全く分からない