太陽と月


「とりあえず、主任に…」



そう思って、小さなその子の手を握って歩き出そうとした

その時




「春斗!」




どこからともなく聞こえた女の人の声

その声に反応する様に、男の子が私の手を払いのけて駆けだした




「あっ! どこいくの!!」




また転んじゃう!!

慌てて後を追いかけようとした時




「ままぁ!!」



小さな手を前に伸ばして、現れた女性の足に抱きついた男の子

その様子に視線を上げると、目の前には1人の女性が立っていた



スッピンかと思う程薄い化粧なのに、どこか品のある顔立ち

ゆったりと髪をアップにして、真っ青なワンピースを着ていた

スラッとした細身な体で

驚く程、美人だ



そして、側には男の子と同じくらいの年の女の子がいた


サラサラの髪に、大きな瞳

手を繋ぐ女性にそっくりの、天使みたいな女の子


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