太陽と月



「悠理さん・・・?」




背中から聞こえた声に、勢いよく振り返る

すると、そこには先程と同じ格好の大西主任が立っていた



大きな目を見開いて

こちらに駆けよってくる




「悠理さんに…春斗に悠菜!」




駆け寄ってきた大西主任の声を聞いた途端、男の子と女の子が私の隣を駆けてく

パタパタとおぼつかない足取りで向かった先には、両手を広げる大西主任がいた




「久しぶりだな~!! 元気だったか?」

「うん!! げんき!!」




ケタケタと笑う2人の子供を抱きしめて

愛おしそうに、頭を撫でた主任



――・・・悠理



どこかで聞き覚えのある名前だなと思って、その光景を見つめながら記憶を辿る

そんな私の姿を見て、柔らかく微笑んだ女性

綺麗な唇をゆっくりと開いて





「星野悠理と申します」




そう言った

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