太陽と月


ドクンと一度心臓が大きく鳴った

見た事もない様なその横顔に、胸が締め付けられた

まるで時間が止まった様に、その場に動けなくなった

すると




「悠理」

「なあに?」

「これ、アイスだろ? 早く配らないと溶けるぞ」

「あ! そうだった! みんなよかったら休憩がてら、食べてね」

「はる、ゆう、行くぞ」




星野支配人の言葉に、ガサガサと袋を持ち上げた女性

そして、ツカツカと事務所に向かった支配人の後ろをチョコチョコとくっついて歩く2人の子供



その様子を、ただ茫然と見つめた

すると



「あれ? 2人とも中に入らないの?」



私と主任がその場から動かなかった事に気付いた女性が不意に振り返った

綺麗な青のワンピースが一度広がって、元の位置に戻る

その様子を見つめていた主任が



「すいません。まだ少し仕事が残ってるんで、あとで頂きますね」

「そう?」

「ごちそう様です、悠理さん」

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