太陽と月


微かな沈黙が2人の間の流れる

その間、ぎゅっと拳を握った



なんで、あんな事言ったのか自分でも分からない

本当は会ってほしいわけないのに

本当は、その心の中から忘れ去ってほしいのに



それでも、主任のあんな横顔を見たら

もう一度会ってあげてほしかった



きっと

大西主任も、会いたくて堪らないはずだから




「もう一回、会って...あげてください」




何も言わずに、ただ私を見つめる藍原さんにそう言う

すると




「会えない」




小さく囁く様にそう言った藍原さん

そして、少し寂しそうに瞳を伏せた




「どうして…」

「私はもう、大西くんの想いに答えられないから」




そう言った藍原さんの言葉に目を見開く

もしかして、大西主任の気持ちを知っているの?


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