太陽と月
「ふふっ、素直なのね」
湯でダコみたいになる私を見て、優しい眼差しで私を見つめる藍原さん
どうしてだろう
初めて会ったはずなのに、もうこんなに心を開いてる自分がいる
どんな事を言っても
なにをしても
きっと、藍原さんは受け止めてくれる
なぜか、そんな風に思った
こんな素敵な人に、私は勝てっこない
もっと嫌な人なら良かったのに、と思った私は
この人に勝てるはずがない
「大西くんの事、これからも支えてあげてね」
「――」
「応援してる」
最後に眩しいくらいの笑顔でそう言って
「これ、余ったアイス。暑い中、外掃除頑張ったご褒美」
耳元でそう囁いた後、私の手に冷たく冷えたアイスを握らせて
事務所を後にした