太陽と月
太陽と月
まだまだ日の長い夏は、一向に溶ける様な日差しを和らげてはくれない
窓辺に座れば、窓から差し込む日差しが肌をジリジリと焼く
そんな中、まだほのかに残る藍原さんの香り
可憐に咲く牡丹の様に、芳しくって
こんな息苦しい世界の中でも、安らぎを与えてくれる
それと同時に甦るのは
愛おしそうに、切なそうに、前を見据える大西主任の横顔
大きな瞳を細めて、まるで太陽を見ている様だった
「――外掃除に戻ります」
会いたい
側にいたい
たとえ今、私の入る隙間なんて
1ミリも、なかったとしても