太陽と月
外に出た途端に息苦しくなる
まるでサウナの中にいるみたい
そんな中でも安らぎを与えてくれるのは、さっき藍原さんに貰った冷たいアイスクリーム
それをを片手に、私は走り出した
「――主任?」
流れてくる汗も厭わずに、キョロキョロと辺りを見渡す
それでも陽炎の様に照り返しで揺らめくガーデンには大西主任の姿はない
どこ行っちゃったんだろう?
小さく溜息を吐いて、一度顎からポタリと落ちた汗を拭っていると
カタン・・・
音のなかった世界に、何かが倒れる音が響いた
驚いて後ろを振り向くと、チャペルの扉の前に竹箒が倒れていた
「あれって…」
主任が使っていた竹箒――
急いで竹箒に駆け寄って、目の前の扉を見つめる
天上まで届くチャペルの大きな扉
扉の微かな隙間から、どこか涼しい風が吹き抜ける
もしかして…ここ?
淡い期待を胸に、ゆっくりと扉を開けた