太陽と月
「どうした?」
その表情を見て思わず固まってしまった私に、大西主任が首を傾げて問いかけてくる
その声で我に返って、急いで主任に向かって足を進めた
真っ白なバージンロードの上を、真っ直ぐに駆けていく
カツカツと大理石を鳴らして
この道の先にいる、主任の元まで――
「しゅっ主任!」
「え!? 何?」
勢いよく椅子に座る主任の隣に立って、特に言う事も決めていないのに呼びかけた
あまりにも謎な行動だったのだろう
大きな目を見開いて驚いている大西主任
――でも、本当は言いたい事はいっぱいある
元気だして下さいとか
私が側にいますとか
無理しないで下さいとか
もっと
私を見てください、とか―――