太陽と月
カンカン
カンカン
アパートの階段をゆっくりと上がっていく
今にも転がり落ちそうになるけど、最後の踏ん張りだと思って、足に喝を入れる
部屋に帰ったら、思いっきりベットに倒れ込もう
項垂れながら、トボトボと自分の部屋までの廊下を歩く
すると
「あ、おかえり」
冷たいコンクリートしか見えていなかった世界に、どこか聞き慣れた声が響く
勢いよく顔を上げると、私の部屋の扉の前に立つ莉奈さんがいた
「ちょうど良かった!! ポテトサラダ作りすぎたから持ってきたよ~」
茫然と立ち尽くした私に、ニッコリ笑って何か入っているであろう袋を持ち上げた莉奈さん
その笑顔を見て、ずっと我慢していたものが溢れてきた