太陽と月
「――失礼します」
そう思うとなんだか胸が苦しくなって、急いで立ち上がってお辞儀をした
頭の中を占領するのは、先程告げられた言葉
指導役交代――
大西主任が提案した、私の為を思っての事
でもそれは、本当にそれだけ?
私の事、もう見たくないんじゃないの?
一緒に仕事をする事も嫌なんじゃないの?
2人っきりになる時間を削ったんじゃないの?
もう主任を想う事すら、許されないの――?
マイナスの事ばかり頭に浮かんで、涙が出そうになる
昨日の自分の言葉に後悔の念が募る
逃げる様に勢いよく打合せ室を出る
扉の向こうには見慣れた事務所
そんな隣接している事務所の端には、パソコンを打つ大西主任の姿が見えた
それでも、私の事見えているはずなのに
見えていないフリをしている
ただ、画面だけを見つめて
淡々とキーを打ち続けている
まるで
私の存在を消しているかの様に