太陽と月
マズイっ!! このままじゃ見失っちゃう!!
支配人を前にドジするわけにはいかない!!
「星野しはいに――きゃぁっ!!」
もぎ取られそうなバックをギュッと握りしめて、駆けようとした瞬間
溝にパンプスが挟まって、不運にも勢いよく前に倒れた
もちろん、受け止めてくれる人なんておらず
私の体はそのままコンクリートの床に倒れ込んだ
派手な音と共に、人混みが割れる
床に広がった書類と私を避ける様に、みんな前へと進んでいく
「いったぁ..」
恥ずかしさと情けなさで涙が出そうになる
手の平を広げてみると、擦り傷ができていて、じんわりと血が滲んでいた
本当...何やってんだか
ドンクサイ自分に嫌気がさして
何故か目頭が熱くなった