太陽と月


まだ昼間の暑さが残る中

夜風に吹かれながら、夜空を見上げる



この広い夜空の下

どれだけの人が、恋に悩んでるんだろう

どれだけの人が、叶わない恋をしているんだろう



思わずそんな事を考えて、ただ茫然と空を見つめる

すると




コツ




革靴の音が微かに聞こえて、上を向いていた顔を元に戻した

すると、真っ暗な世界の中に夜空と同じ様に真っ黒のスーツを着た男の人が立っていた



大きな瞳が私を見ている

足音だけで、こんなにも胸が高鳴る人





「大西主任」




名前を呼ぶだけでも

胸が潰れてしまいそうになる

その人

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