太陽と月
「男なんて、星の数程いるだろ」
どこか自虐的にそう言った大西主任
そして伏せていた瞳を上げて、立ちすくむ私を大きな瞳で見つめた
ユラユラと微かに揺れる大西主任の大きな瞳
その瞳を見ただけで、愛しさが溢れる
「でも――太陽は1つしかないでしょう?」
確かに星の数程、男の人はいる
数えきれない程、溢れかえっている
それでも
太陽は1つしかない
眩しいくらい
私を包んでくれる人は、1人しかいない
「私、諦められないです。主任」
太陽を失ったら、私はきっと生きていけない
寒くて寒くて、凍えてしまう