太陽と月


「俺も隣でフォローする」

「はい」

「不安に思っていると、お客にもそれは伝わる。自信をもってやってみろ」

「はいっ」



パチンと小気味よくEnterキーを弾いた支配人

そして、立ち尽くす私を視線だけで見上げて不敵に笑った




「自分を信じてみろ。瀬川プランナー」




その言葉に、何故か胸が熱くなる

プランナーと呼ばれるには、まだまだ半人前の私

それなのに、みんなと同じプランナーとして扱われると、どこかくすぐったいと同時に頑張ってみようと思えた




「頑張ります!! ご指導よろしくお願いします!!」




頬が無意識に上がるのを抑える事なく、勢いよくお辞儀をする

すると



ゴンッ

バサバサッ




「いったぁ!」




積みあがっていた書類に頭を打ち、その勢いのまま書類は無残にも地面に散らばる

その光景を見下ろしながら、ジンジンと痛む額を押さえた


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