太陽と月



「今日も夜ご飯抜きかな・・・」



そう言った途端に、反発する様にグゥーッとお腹が鳴る



ここ最近気づいたら、この時間で

夜ご飯を食べ損ねる事が多々あった




「いい機会だから、ダイエットしようかな」




独り言を零しながら、鳴り止まないお腹を押さえて、再び画面に向かおうとした

その時





「すげー音」




どこからともなく聞こえた、声

いつも聞いているはずなのに、どこか懐かしく感じる――その声



高鳴る胸を押さえて、勢いよく振り返る

すると、事務所の入り口で壁にもたれ掛ったまま、腕を組んで私を見ている大西主任がいた




「主任っ」




一気に体温が上昇して、口ごもる

そんな私を差し置いて、無表情のまま近づいてくる主任

そして



ガサッ



おもむろに私のデスクの上にコンビニの袋と思わしきものを置いた大西主任

訳が分からず、その袋と私を見下ろす主任を交互に見る

すると




「どうせ、何も食べてないんだろ」




そう言って、小さく溜息を吐いた
< 199 / 353 >

この作品をシェア

pagetop