太陽と月
「では、DVDの準備など整いましたら、またご連絡お願いします」
「あ、じゃぁ瀬川さんの連絡先教えてもらえる?」
全く余興の内容が決まっていなかったから、後日また集まってもらう事にした
そんな時、私の隣に座っていた男性が携帯を私に向けて柔らかく微笑んでそう言った
「あ...えっと、名刺の裏に書いてありますので、そちらにご連絡お願いします」
「――あ、本当だ。書いてある」
「また、何かありましたらご連絡下さい」
始めの挨拶の時に渡した名刺をぺラッと裏に向けて、頷いた男性
そして『了解しました』と言って、ゆっくりと席を立った
「今日はありがとうございました」
「纏まったら、また瀬川さんに連絡しますね」
玄関の入り口で深々とお辞儀をした私に、丁寧にそう言う男性
このグループ内で、まとめ役な人だ
「それにしても大変だね。こんな遅くまで」
ワイワイと駐車場に向かって騒いでいる仲間達に視線を送ってから、そう言った男性
そして横目で私の方を見て、微かに笑った