太陽と月
「もう慣れちゃいました。でも全然苦じゃないんですよ」
「結婚式場って華やかだけど、結構肉体勝負な所あるからね」
「よく御存じですね!」
「俺も前まで結婚式場の厨房にいたからね」
「そうなんですか!?」
スーツのポケットに手を入れて、優しく微笑んだ男性に思わず詰め寄る
誰かと話していて、同業者に会ったのは初めてで、なんだか一気に親近感が湧いた
「いいよね。誰かの幸せを手伝える仕事って」
「はい!! 大変ですけど、とっても楽しいですっ」
「じゃぁ、瀬川さんにとって、これが天職なのかもね」
物腰の柔らかい話し方の男性
穏やかなオーラを纏っていて、初めて会ったのにとっても話しやすいし、話していて落ち着く
「大変だろうけど、体壊さない様にね」
「ありがとうございますっ」
「じゃぁ、遅くまでありがとう。お疲れ様」
ニッコリ笑ってお辞儀した私に片手を上げて、微笑んだ男性
そして、遠くの方で騒いでいる仲間達の方に歩いて行った