太陽と月
「打合せ?」
羨望の目で大西主任を見ていると、再びそう聞いて首を微かに傾げた主任
真夏の暑い中でも、どこか爽やかな意出立ちに無意識に心が高鳴る
「そ..そうです」
「えらく嬉しそうじゃん」
悪戯っ子の様に、ふっと表情を緩めた主任
チラリと私の携帯に目を落として、大きな瞳を微かに細めた
「あ..えっと、余興の打ち合わせなんですけど、とってもいいお客さんで..あの、前に式場の厨房で働いていた人みたいで..話しもすごく合って...」
「うん」
「今日余興の相談に来られるみたいで..今電話が」
しどろもどろになりながら、そう話す私を微動だにせずに見つめる主任
その姿が、本当に私のこの話に興味があるのか不思議になる
そして話終えた私の顔も、変わらず何も言わずに見つめる主任
端正な顔が太陽の日差しを浴びて、眩しい
「あの..主任?」
なんだか、居たたまれない空気になって恐る恐る声をかける
すると、我に返った様に一度ピクリと体を動かした後、瞬きを2.3度した主任
「――あんまり入り込むなよ」
そして、どこか素っ気なくそう言って
私の隣を通り過ぎて行った