太陽と月
◇
「お待ちしておりました、南様」
以前と同じスーツ姿でロビーに現れた南様に急いで駆け寄る
すると、私の姿を見つけて穏やかに微笑んだ様子の南様
それがなんだか嬉しかった
「悪いね。こんな遅くに」
「大丈夫です――あ、では打合せ室の方に」
申し訳なさそうにそう言った南様に微笑み返して、打合せ室へお通しする
いつもなら、この時点でガチガチに緊張するのに、南様だと普通でいられた
「それで、今日はどうされました?」
「あ~、余興の事なんだけどさ。結構いろいろ組み込んだものになりそうなんだ。それで、何度か練習させてほしくて。それで、会場は借りる事はできるかな?」
先輩プランナーの人が出してくれたアイスコーヒーを一度口に運んだ南様が、少し申し訳なさそうに話し出した
そしてカバンの中から1枚の紙を取り出して、私に見せた
「――すごい!! すごく面白そうですねっ」
それに目を通すと、余興の流れが簡単に書いてあった
DVDと連動した企画の余興
書面で見ただけでも、楽しさが伝わってくる