太陽と月







「お待ちしておりました、南様」



以前と同じスーツ姿でロビーに現れた南様に急いで駆け寄る

すると、私の姿を見つけて穏やかに微笑んだ様子の南様

それがなんだか嬉しかった




「悪いね。こんな遅くに」

「大丈夫です――あ、では打合せ室の方に」




申し訳なさそうにそう言った南様に微笑み返して、打合せ室へお通しする

いつもなら、この時点でガチガチに緊張するのに、南様だと普通でいられた




「それで、今日はどうされました?」

「あ~、余興の事なんだけどさ。結構いろいろ組み込んだものになりそうなんだ。それで、何度か練習させてほしくて。それで、会場は借りる事はできるかな?」



先輩プランナーの人が出してくれたアイスコーヒーを一度口に運んだ南様が、少し申し訳なさそうに話し出した

そしてカバンの中から1枚の紙を取り出して、私に見せた




「――すごい!! すごく面白そうですねっ」




それに目を通すと、余興の流れが簡単に書いてあった

DVDと連動した企画の余興

書面で見ただけでも、楽しさが伝わってくる

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