太陽と月
クルクルと忙しなく動く世界の中で
ただ1つ変わらないもの
心の真ん中の咲く、大輪の花
明るい場所に出られる事を信じて
私達は今日も、違うトンネルの中を真っ直ぐ歩き続けている
暗く、先の見えないトンネルを――
「でもさ。」
そこで、小さく漏れた声で我に返る
俯いていた顔を上げると、片手でハンドルを握って前を見据えている南様が映った
「瀬川さんは、それでも頑張る事を止めないでしょ?」
「――」
「ずっと、立ち止まっている性分じゃないでしょ?」
真っ直ぐに告げられた言葉
ポカポカと陽だまりの様に温かい
ポカンと口を開けた私を横目に見て、ふっと表情を和らげた南様
そして、おもむろに私の頭の上にポンっと優しく片手を乗せて
「それでいいと思う」
「――」
「信じる事で、強くなれると思う」
優しく
そう言った