太陽と月
運転席の方に視線を向けると、ハンドルを握ったままの南様が私を横目に見ていた
微かな街灯が、南様の横顔を照らしている
「我慢...ですか?」
「うん。無理して笑ってるのバレバレ」
「――」
「分かるよ。本当の笑顔と作られた笑顔は、全然違うから」
その言葉に思わず口を噤む
自分でも分かっていたから
無理に笑顔を作っている事――
「俺の自惚れじゃなかったら...瀬川さんは、誰かに聞いてほしいんじゃないのかな」
「――」
「もう、1人じゃ抱えきれないんでしょ?」
優しい声色の南様がふっと表情を和らげてそう言う
そして、下を向いた私に向かって
「違うかな」
優しく背中を押してくれた